「お〜ッ!!!
アンタ、昨夜のカーテンの
少女じゃないか?」
「え」
屋上から
コチラを覗き込んでいる
見覚えのあるその作業着は
「窓掃除のオジサン達ッ!?」
窓掃除用のゴンドラが
スルスルと私達のトコロまで
降りてきて。
「天使が空から降りてきた」
テツオさんが
信じられない現実に
半笑いした。
「階下の部屋を
掃除していたスタッフが
上から帯が落ちてきたから
覗いてみてくれ、と
連絡が入ったモノでね」
何ゴトかと思ったら
こんなコトに
なっていたなんて、って
言いながら
不安定な足場は
お手のモノ。
作業服のオジサン達は
軽々とセイのカラダを
引き上げる。
「…俺って
とことん運がいいのか。
それとも
日頃の行いがいい
せいなのか」
どっちだと思う?、って
血の気のない
真っ白な顔のセイが
私に笑い掛けてきて。
「セイのバカッッ!!!!」
「痛だだだだああッッ!!!」
私は思いっきり
セイのカラダを
抱きしめた。