…毛糸のパンツの鍋敷きを
置くとゆ〜
ファインプレイをしたのは

何とッ

大正ロマン、そのヒトでッ。


高価な家具を
焦がすワケにはいかない、と
思ったのだろうか。

「……」

セイが
怪訝そうな顔をしながらも

熱くなったお皿を
その上に置いて。


ほッ。

…理由はともかく
とにかく助かったッ。


と、思ったのも束の間ッ


セイは、ドンッ!、と
ミネラルウォーターの瓶を

乱暴に置いてッ。


自己主張するコトを
忘れませんでしたッ。


「…我がモノ顔で
振る舞うのも

いい加減にして欲しいわ」


大正ロマンが
セイのアタマの上から

見下ろしているけれどッ。


ごもっともッ。


「タカヒロさんが
大事にしてきた高価な品を

次から次に
よくもまあ…ッ!」


芸術がわからないヒトは
これだから、って

セイの無分別を
責め立てていますけどッ。


…価値が
わからないんじゃなくて

高価なモノばかりを
わざとピンポイントで
狙っているんだ、なんて

さすがに
口が裂けても
訂正なんて出来ませんッ。



「…先生が大事にしている
最高の芸術品に

傷をつけたアンタが
よく言うよね」


自分のバストバンドに
手を掛けながら

自分のコトを
”最高の芸術品”と
言いきってしまう

そんなアナタが
大好きですッ。


だけど

そんな自他ともに認める
”最高の芸術品”の

暴走は止まらないッ。