「写真?、流出…!?」


「そう。

あの書類の存在が
白日の下に晒されるのも

時間の問題みたい」


「え?」


「もうすぐ
世間の皆さまみんなが

この事実を知るコトになる」


「ええええ
え〜〜〜〜ッッッ!!!?」


あまりの
ショッキングな告白に

私のアタマがイッキに
パニックするッ。


「なッ、何でッ!?
どうしてッ!?

いつの間に
そんな事態にッッッ!?」


「…あのダシガラみたいな
家政婦。

占いオバサンの目を盗んで

以前からケータイで
書類の中身なんかを
画像に残してきてたらしい」


「そんなワケッ!

だって、あの夫婦とは
和解できていたんじゃ…」


事態は

まさに
先生のおじいちゃんが
危惧していた通りに
なっていて。


「俺と先生も

病院へ
レントゲンを撮りに行く
車の中で知ったんだけど」


セイが
ちいさく溜息をつきながら

ソファーに
どっしりと背中を預けた。


「…あの夫婦は
そもそも

今回の盗難事件の主犯では
なかったらしくって」


それって。

「…裏で誰かが
糸を引いてたってコト?」


「…そそのかしてた

ってのが
正しい表現かな」


「……」

その黒幕は

家政婦に
写真を撮らせるだけ
撮らせたモノの

いざとなると欲が出て


「書類の現物がないと
インパクトが弱い、とか
言い出したんだろう」


だけど

持ち出しに失敗した上

書類の存在を
外部に知られている、と

大正ロマンに
知られてしまった今


「証拠を隠滅され
手を打たれないうちに、と

黒幕は写真の公開を
焦ったみたいでさ」


「もしかして
その黒幕から

脅されてるとかッ!?」


私の第6感が
珍しく
当たっていたのだろうかッ。


「…もういいじゃん」