大正ロマンが
私を睨みつけて
威嚇するッッ!!!!


「……」

…何を想像しているのかは
わかりませんけれどッ。


その毛糸のパンツは
アナタがさっき

鍋敷き代わりに
したヤツですがッッ!!!


「最近の女子高生は
オトナのオトコを
こうやって誘うのかしらッ」

誤解ですうううッッ!!!


「オバサン。
そんな風に怒ってると
血圧、あがるよ」

なんてッ

火に油を注ぐように

涼しい顔をして

セイが
要らないひと言を
口にしたかと
思ったらッッ。


「ね、先生♪」

今度は甘い声で

長い腕を先生の肩に
絡ませてみせたりしてッ。


「セイくん…!」

先生も
満更でもなさそうに

悦びを噛み殺して
いますけどッ!!!!!


お願いですから

そやつの術中にハマるのは
やめてくださいッッ。


痛いくらいの視線に
振り返ると

「…車のキー!
ここに返すわよッ!」

ピシーッ!

私の耳の傍で
おおきな音が鳴ってッ!


目を真っ赤に充血させた
大正ロマンが

手に持っていた車のカギを

私の頬に
平手打ちするようにして
突き返してきたッ!!!


「……」

頬に車のキーが
のめり込んで

目から一瞬

火花が飛び散ったッ。


…何でッ、私が…ッ。


「行けッ、トーコッ!
立派な正当防衛だッ!」

思う存分
やり返してやれッ、と

嬉々とするセイの声ッ!


「オノレはあああああ」

ボッコッ!

私はセイのアタマを
ゲンコツで殴ってッ

「いいッ加減に
しなさいよねッッ!!!」

勢いよくタンカを切るッ!