「…ふんッ!

アナタのそ〜ゆ〜
余裕然としているトコロッ

ホンット
ムカつくのよッ!!!」


なんて

私のとった態度に
クレームをつけたかと
思ったら

私の頬を
その尖った5本の爪で

掴んで
引っ張るッッ!!!!


「ちょっと、落ち着いてッ!」


よせばいいのに

私と大正ロマンの間に
コトもあろうか
先生が入ってきてッ。


「タカヒロさんはッ

その子を
庇うんですのねッ!!!」


大正ロマンは
半狂乱で
先生に訴えてるけれどッ。


この場合ッ

その場に居たら
フツー
誰でも止めに入りますッッ。


「くっくっく」

面白いね〜、って
セイが
観客席で笑っててッ。


「もう捨てるモノが
なくなったから、って
開き直ったか!」

なんてッ

失礼なッ!!!


「セイくん…ッ!」

先生が慌てて

セイの次のコトバを
止めに入ったのに

セイは勢いのまま
コトバを続けて。


「アンタは先生に
アタマを下げに
きたんじゃないの?」


「…何のお話かしら」


「アンタの例の書類の存在を
世間に晒されたくなかったら
金を払え、って

先生の親父さんが
脅された話」

当然、アンタの耳にも
入っているんだろ?、って

セイが冷ややかな視線を
大正ロマンに向けていてッ。


「……」

そんな重要な話ッ

私も
初めて聴きましたッッ!!


予想もしなかった
話の展開に

私もフォローのコトバひとつ
出なかった。


けどッ。