「……」
要するに。
大正ロマンのサイトの
会員である彼女は
サイトから会員に
毎朝届く”今日の運勢”を
楽しみにしていた
らしいのだが。
いつもなら
とっくにケータイに
送られてきている時間なのに
届かないって
サイトに問い合わせしようと
アクセスしてみたら
無くなっていた、と
ゆ〜ワケで。
「送った
問い合わせのメールまで
宛先不明で
戻ってきちゃうなんて」
見合いの彼女は
半ばパニック状態で
ママのケータイに
不安を訴えるメールを
何通も送りつけてきていて。
「…メンテナンスとか
アクセス集中とかじゃなく
ホントに閉鎖されている
みたいだな」
パパがママと目を合わせた。
「…鑑定料。
やっぱり
戻って来ないのかしら、ね」
「……」
…だけど。
何か変だよね。
v
大正ロマンって
パソコンとか扱えないのに。
わざわざ夜中に
メガネっ子を叩き起こして?
急いでやらせなきゃ
ならないワケなんて…。
「…やっぱり
昨夜のニュースで
逮捕された占い師達みたいに
この占い師も
やましいコトでも
あったのかしら」
…本当に
ママの指摘通りで。
ニュースで
他の占い師が騒がれている
こんなタイミングで
サイトを
消しちゃったりしたら
それこそ
お前もか、って
みんなの疑念を煽るような
モノなのに…!
「…まさか」
先生のお父さんとか…?
「……」
…セイと先生は
このコトを
知っているんだろうか。