『そもそも
アタマが弱いクセに
自分の力で
どうにかできるかも、と
思い込める辺りが
おバカがおバカである
所以なんでしょうけれど』
まだ言うかッ。
『自分がどんな人間で
どんなコトが出来るかを
知るコトは
大事なコトよ』
占いなんて、と
バカにするヒトも多いけど
オノレという存在と対峙し
自分の身の回りの人間との
関係性を考える時間は
とても有意義で尊いから
ってッ。
もしかして
その話の行きつく先はッ。
「あのッ!
せっかくのご厚意ですがッ
私ッ
アナタに占って貰っても
鑑定料なんて
ひっくり返っても
出せませんからッ」
先手必勝ッ。
大正ロマンに釘をさしたッ。
『……』
哀しいかなッ。
私は
しがない万年金欠病の
女子高生ッ。
雑誌や情報番組の無料占いで
充分満足できてますッ。
「悪い未来が
待ち受けていようが
好きなヒトと
相性が悪かろうが
それはそれで
自分の人生だ、って
楽しみますからッ」
占いなんて
どうだっていいんですッ。
『…ホ〜ント。
アナタって
どこまでもおバカさんね』
電話の向こう
大正ロマンが笑っててッ。
『たいした才能も
美貌もお金もないクセに
未来に希望が持てる
その図々しさが羨ましい』
くぬぬぬぬううううッ。
たとえ将来
私が3億円宝くじに当たって
大富豪になっても
アナタにだけは
占って貰うコトは
ないでしょうッ。
なのに。
『アナタのような人間に
私も生まれたかったわ』
なんて。
思わず我が耳を
疑ってしまうようなセリフに
ふと
カッカしていたアタマが
冷静になる。