「自分のコトを棚に上げて
何よッ!」

「トーコは
まだまだ子どもだから」

「セイのが
年下でしょうが!!」


「実年齢の話を
しているんじゃない。

精神年齢と肉体の成熟度の
問題だ」


「どういう意味かなッ!!」

貧相な胸を思わず
隠してしまっている自分が
哀しいッ。


高校生になっても
あまり成長を見せない
控えめな胸は
私の一番のコンプレックス。


ささやかな隆起しかなくて
悪うございましたわね!!


「自分だって
まだ子どものクセに!」

「テクニックには自信あるから」

…そんなセリフッ

自分で言ってて
恥ずかしく
ないんでしょうかッ。

「……」

セイと話してるとホント
アタマがおかしくなりそうだ。


「ごちそうさまッ」

早々に食事を切り上げて
私が席を立とうとすると

「…勿体ないの」

さっき私が吐き出した生肉を
指で摘まみながら

セイが私に
意味ありげな視線を
送ってくる。

「ふふん」
舌を絡ませるようにして
自分の口に入れ

「おいしいのに」

私に向かって
笑ってみせたりしてッ!!!


「……」

挑発してるとしか
思えないッ…!


「…ふんッ」

そんなセイを
私は必死で平静を装って

無視をした。


キッチンでひとり
自分の食べ終わったお皿を
洗っていても

まだドキドキと
怒りが治まらない。


なのにッ!!!!
「眉間のシワ
最近、酷くなったんじゃない?」

私の背後に
ぴったりくっついて
セイが
私の胸を触ってくるッ!!


「ッ!!!!ッッ!!?」

私は思わず傍にあった包丁を
セイに
突きつけてしまっていた。


「…おいおいおい」

その手を
ホールドアップしながら
セイがちいさく笑っててッ。


「ちょっとは
おおきくなるように、って
協力してやったのにさ」

セイはそう言いながら

「チュッ」

私の唇にキスをした…。