真っ暗な部屋。
フットライトだけが
妖しく光って
おおきなベッドが
目に入ってくる。
「…あの」
今から何が
起ころうとしているのか
さすがに鈍感な私にも
わかった。
「気に入らないんなら
他の部屋に
替えて貰ってもいいけど」
『彼』の気の遣い方は
どこか常識から逸脱していて
「……」
返事を戸惑っている私の
背中から
『彼』の腕が絡んでくる。
拒もうと思えば
拒むコトも出来たのに。
非日常的な
雰囲気に飲まれて
しまったのか
私がただ単に
優柔不断だったのか。
とにかく好奇心に
負けたっていうのが
正しいような気もする。
「……」
制服のブラウスの
ボタンに『彼』の手が掛り
「あ」
私の足が少しふらついた。
足元を照らすライトが
真っ暗な部屋での
唯一の頼りだ。
『彼』の行為にも
「…やッ」
そう抵抗のコトバを
発するのが
やっとの私で。
「そのつもりで来たんでしょ」
『彼』は私のプロテクトを
簡単にかわしていく。