『彼』のたてる音だけが
静かな部屋に広がっていく。


私の心臓の音が
耳障りなくらい

淫靡な世界で。


冷静になるコトを

この暗闇の世界は
許してはくれない。


立っていられなくなって

ガクン、と
足元から崩れる私を

『彼』は
ベッドに転がして


そして

続けた。


制服姿の『彼』が
何もまとわない私の上に

重なる。


私は完全な
『彼』の愛玩具。


「…痛いよ、これ」

『彼』のベルトのバックルを
引っ張って訴えると

『彼』はようやく
自分の服を脱いだ。


冷たいカラダ。


『彼』のカラダの
いろんなトコロが

私の中に侵入してくる。


まるで私のカラダを
鑑賞しているかのように

愛おしいモノを
愛でるように…。


飽きもせず

私の全てを
『彼』の五感に刻みつけ


そして

『彼』の存在を
深く深く

私のカラダに
記憶させていった。


甘さもなく

『彼』のペースで

『彼』の嗜好そのままに
成し遂げられた
その行為は

あまりにも
現実離れしていて


官能的で。


初めてだったにも
かかわらず

後を引いてしまうくらい
酔いしれてしまって

ちょっと悔しかった。