私の訴えなど
『彼』の耳には入らない。
こんなコトは初めてだった。
「スカート
シワになっちゃうから!」
私の訴えなどお構いなしで
『彼』はスカートの中から
下着を片足だけ引き抜いた。
いつもと違う
『彼』の荒々しさに
私は動揺し
快感に感涙する。
なのに
「…もう終わりにしよう」
『彼』は唐突に
私に別れを切り出した。
私は過去にないくらい
『彼』の指使いに
感じていたというのに…!
「ズルい…ッ!」
そう言うのが
やっとだった。
別れようと言ったその口が
私の敏感な部分を
刺激してくる。
「あッ、あ……ぁ…」
快感の渦に堕ちる私を
『彼』は征服者のように
哀しく嘲け笑った。
『彼』は私の反応に
無関心なハズだった。
声もあげず
シラけた表情を見せる私に
一途に尽してくれていた。
それは『彼』が
私に夢中だからで
いつか自分を
好きになって欲しいという
『彼』の願いが
そうさせたもので。
痛がったら
すぐに止めてくれたし
じっくり時間を
かけてくれていたし。
私だって
私なりにその気持ちには
応えてきたつもりだった。
初めてのときは
流れと好奇心で、と
言い訳できた。
それが2回、3回と
重ねられるコトによって
私は逃げ場を
なくしてきたワケで。
私をこんな風に
しておいて!
私があなたに興味と愛情を
認識したとたんに
この仕打ち!?
唐突な別れ話に
呆然として
ベッドの上で
まるくなっていた私を
『彼』は目で
デッサンしていたに
違いない。
そう思ったら
何だか悔しくなってきて
意地でも絶対に
泣いてなんか
やるものかって
「うん。もう終わりにしよう」
強がった。
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