新しい恋
「ジュンニイが?」
それは突然の依頼だった。
ジュンジュンのお兄さんは
新進気鋭の
空間プロデューサー。
歳もジュンジュンと
ひと回りも離れている。
ちいさい頃は
ジュンジュンの家に
よく遊びに行っていたから
ジュンニイのコトは
よく知っていた。
お笑い芸人を
めざしていると思ったら
ビジュアル系バンドを
やってたり。
弁護士になると宣言して
猛勉強していたコトも
あったっけ。
好奇心旺盛。
ノリの軽さが
玉に瑕だけど
ジュンジュンの陽気さも
この兄の影響ありきって
カンジだ。
最後に会ったのが
私が小6だったから
かれこれ6年は経っている。
そのジュンニイが
仕事のクライアントを招待して
ホームパーティーをするのに
手を貸して欲しいという。
「クライアントって
オヤジ相手…とか?」
「外国人のご夫婦と
ちいさなお孫さん」
どうやら怪しいバイトでは
ないようだ。
でも
あのジュンニイのコトだ。
ただのパーティーでは
ない気がする…。
「着物姿でニコニコしてれば
O.Kだから」
…やっぱりちょっと怪しい。
なのに。
「私、行ってもいいよ」
いとも簡単に承諾したのは
意外にも
国立大学の受験を控えていた
ユッキだった。