「こういう色目も
似合うと思ってたんだ」


ピンクなんて
オンナノコな色

似合うワケない、って


紺とか緑とか
茶色とかオレンジとか
生成りとか

ナチュラルで
素朴な色ばかり

いつも
好んで着てたから


そう言われると
ちょっとテレる。


「ちょっとみんな
いいかなあ」


ジュンニイがみんなを集めて。

外国人のお客さまと一緒に
日本庭園で記念撮影。


ユッキの隣りには

当たり前のように
彼氏が寄り添っていて。


何か羨ましい、かな。


私はと言うと
隣りにジュンニイ。


さっきから
大声を出しては
みんなを笑わせていて

どうもロマンチックな気は
起きない、かな。


だけど

ジュンニイは
何だかいいニオイがする。


…オトナのオトコのヒト
なんだよね。


「もっと真ん中に
寄ってくださ〜い!」


カメラマンの
ジュンジュンの声に

ジュンニイの胸が
私の肩先にくっついた。


ジュンニイって
背が高いんだよね。


よくこの長い腕に
友達みんなでしがみついて
じゃれてたのを思い出す。


「ね、ね。
似合いだと思わない?」


写し終わったデジカメの
画面をチェックしていた
ジュンジュンが

ユッキに声を掛けた。


「ホントだあ。いいかもね!」

「ほら、ヒメも」

促されて
私もデジカメを覗き込む。


「でッ!?」

私とジュンニイの
ふたりが引き伸ばされて

ツーショットに
されている!!!!!


「に、似合いって…」

思わず顔が引きつった。