「…誰?」
ジュンジュンの目が恐い。
「誰よ!?
そんなの聞いてない〜!!」
ユッキが叫んだ。
「え、いえ、え〜と」
『彼』の名前は
死んだって口にできない。
「え〜と」
「江藤?」
「あ、の」
「あ?」
…みんなの顔が
マジだった。
「あ…、あ…。
あさしょ〜りゅ〜…、とか?」
渾身のジョークも
言ってる自分の顔が
引きつっている。
「は、あ????」
みんなの目が点になって
呆れてる。
「OH!
スモウ・レスラー!!!」
外国人は大はしゃぎで。
「真面目に聞いてんのに!」
ジュンジュンが怒った。
でも。
だって、こんなの。
「ジュンニイだって
迷惑だよ!」
「別に俺
迷惑なんて思ってない、けど」
え?
「よかったら今度
大相撲、観に行こうか」
「……」
…相撲なんか興味がない。
力士の顔と名前も
一致しない。
でも
例のごとく
みんなに押し切られる形で
今日の日を
迎えてしまった。