「俺の話に
うわの空してた罰だ!」


うっそ〜!!!!!


「暴れるな〜。
落っことすぞ〜♪」

なんて

私のバッグと靴を手に
上機嫌なジュンニイだった。


すれ違う観客にも
たくさん冷やかされて

ますますテンションが
あがってるようで。


私は
警備のお姉さんに
目で助けを
訴えてみたけれど

見ないフリをされてしまう。


「最後の大勝負だけ
観れればいいでしょ?」


って。

お土産を座席に置いたまま

私を担いで国技館を
出てしまうではないか。


「この近所にさ。
知ってる店があるんだよ」


「知ってる店?」


ジュンニイが独立して
初めて手がけた仕事だという
そのお店。


店長さんが
肩に担がれてる私を見て


「まあ!
どこで捕獲してきたの?」

トボケたコトを言う。


ミッド・センチュリーな内装は
こだわりのライトが妖しい。


ジュースの入ってる
グラスからして
非日常しすぎている。


ジュンニイって
こういう趣味だったんだ…。