「待って!」


私はジュンニイの後を
小走りに追い掛ける。


怒っちゃったのかな。


「ジュンニイってば!」


やっぱり
マジな告白だったのかな。

でもでも!


「ジュンニイ!!」


何回、名前を呼んだだろう。


歩道橋を降りようとする
ジュンニイの腕を

やっとの思いで捕まえた。


「あのね、私…!」


言い訳しようとする私を

ジュンニイは
振り向きざまに引き寄せる。


「好きだ」

…真剣なジュンニイの顔。


「冗談じゃないから」

「……」


「つき合おう」

「……」


「返事は?」


ジュンニイに
真っ直ぐに見つめられて

私はどうしていいか
わからなかった。


「…どうして?」

「え?」


「何で私なの?」

自分でも
意地悪な質問を
していると思った。


ふだん
たくさんのコンプレックスを
抱えていると

こういう機会で
それが出る。


「私のどこが好き?」

「…全部」


「信じられない。そういうの」


我ながら滅茶苦茶だ。

図々しすぎだった。