彫り物の熊は
私の部屋の住人となっている。
窓際のいちばん
日当たりのいいトコロ。
図々しいのは
送り主ゆずりなのか。
部屋の中でひときわ
存在感をしめしていて。
私の中の
ジュンニイのように
ほのぼの。
あったかい。
「へへッ」
いつものように
デートの約束を
メールで確認する。
明日は
ジュンニイと
博物館に王家の秘宝展を
観に行く予定。
チケットはママに貰った。
ママはジュンニイのコトを
ちいさい頃から
知っているから
ノリの軽いジュンニイとの
交際を
てっきり反対されると
思っていた。
のに。
「でかした!」
と喜ばれて。
確かに
ジュンニイは昔から
オトナ受けよかったから。
…でも、ママは
心配じゃないのだろうか。
ひと回りも年上なんだけど。
「ま、いいか」
反対されるコトを考えれば
こんなに順調な交際もない。
何か恵まれ過ぎて
不安になるなんて
私も相当のビンボー性だ。
明日はクリスマスイブ。
明日のデート
何着て行こうか。
洋服のコーディネートを
悩んでみたりして
何だかちょっと
しあわせだ、私。