「ホント
ピンク似合うじゃん!」

いつも辛口な
ユッキも褒めてくれる。


「アニキ
ヒメの魅力引き出すの
うまいと思わない?」

「…うん」


自分でも知らない
自分の魅力。

ちょっと照れるけど
やっぱり嬉しい。


『彼』が見たらどう思うかな。


…バカなことを
考えてしまった。


『彼』は私が
どんな服を着ようと

何も言わないに
決まってる。


私に興味なんか
ないんだもの。


わかっていても

ちいさな溜息が漏れる。


もう夏休みも
終わろうというのに。


別れた今でも


私は

『彼』への未練を
まだ引きずっていた。