ふたりの親友


お風呂からあがると
ケータイの着信ライトが
光っていて

「ジュンニイからかな?」

期待して
急いでチェックする。


たくさんの着信履歴。

その全てがユッキだった。


お風呂に入ってる間
ずっとケータイを
鳴らし続けていたようで


「こんなの初めてだ」

何か大変なコトでも
あったのかも…。

急いでユッキに電話する。


「ちゃんと髪、乾かさないと
風邪ひくわよ」

ママがノーテンキに
私の部屋のドアを開ける。


「それどころじゃ
ないんだから!」

「そうなんだって。
ユキちゃん」


え?

ユキちゃん…って?


「ユキじゃなくユズキです。
おばさま」

「ユッキ!!!!!」


ママに
冷静な訂正を入れていた
親友は

真っ赤な顔をしていて


ママがドアを閉めて
出ていったと同時に

「ヒメ〜〜〜」

ボロボロと大粒の涙を
落とした。


この様子
尋常じゃない。

私に弱味を
みせたコトなんか
過去に一度だってなかった。


困ったコトや悩みは
ユッキはいつも
ジュンジュンに先に話してて

私はジュンジュンから
コトの顛末を教えて貰う
というのが
お決まりのパターンだった。


そうだ!

ジュンジュンは
どうしたんだ!


「ジュンイチさんの介抱で
手が離せないとかって…」


あ。

やっぱり。


先にジュンジュンに
声をかけたんだ。

ちょっと安堵して


凄く落ち込んだ。


あんまり頼りにされてない
現実。


あははは。

そんなもんだよね。