ジュンニイ達の
今のお父さんは

ふたりと血が繋がっていない。


ジュンニイとジュンジュンも
お父さんが違う。


お母さんは子ども心にも
キャリア・ウーマンで

華やかなヒトという
印象があった。


お葬式も
有名人のオンパレードで

凄く立派だったのを
覚えている。


小学6年生のときのコト
だったから

かれこれ6年。


確かこの春に七回忌法要を
済ませたと言っていた。

今のお父さんは
学校行事には
必ず駆けつけていたから

私もよく知っている。


警備員さんをやっていて
笑顔がやさしい。


小学生の頃は

ジュンジュンとは
まだ今みたいに
親友ってカンジじゃなく


たくさんで遊んでいた友達の
ひとりだった。


ジュンジュンの家庭の事情を
知ったのも

中学生に
なってからだった。


「食べ終わったら
車で送りますよ」

「この時間まで
連絡がないってコトは
あのヒト警察ですよね」

「…さっきの画廊部に
問い合わせてみましょうか?」

ジュンニイは
母親のセリフにも

もう顔色ひとつ
変えるコトはなかった。