「知らなかったからって
責めてなんかいないから」


ジュンニイは笑顔で
私のアタマを撫でる。


「だいたい元日生まれなんて
いつもスルーされっぱなし。

慣れてます」


ジュンニイはケーキの箱に
ついていたリボンを
私のアタマの上に乗せる。


「私がプレゼントよ♪とか」


シーン。

物凄い古典ギャグで


「さ、ぶ〜い!!」

笑ってウケてみせたけど


ココロの中は
涙と不安で

いっぱいだった。

ふたりでカウントダウンして

「Happy new year!
& my birthday!!」

ジュンニイが
ろうそくを吹き消した。


「ほれ」

私に自分の頬に
キスしろとリクエストする。

頬に顔を寄せると
ケーキのクリームを
唇につけられた。


「くいしんぼヒゲ!」

ジュンニイが
大ウケしている。


「ひ、ど〜い」

クリームを拭き取ろうとする
私の手を制して


…ジュンニイが舐め取った。


「ごちそうさま」


ひええええええ〜〜〜。


動揺する私をスルーして

「さ、おせち食べよう」

何もなかったように
ジュンニイは重箱を開ける。


ああ。
全くジュンニイの行動には
驚かされてばっかりだ。


「…もう食べるの?」

「あんまり遅くなっちゃうと
ヒメパパが心配するだろ?」

「ママが上手く言って
くれると思う」


「自分だけ
知らなかったなんて
後でわかったら

お父さん
傷つくんじゃないかなあ?」


…それは
そうなんだけど。