割り箸買って。
紙コップ買って。
「もっとちゃんと
揃えたかったなあ」
ジュンニイが
溜息をつきながら
歯ブラシを2つ
カゴに入れた。
私は黙って
もう一本追加する。
そして
母親用の替えの下着を
こそっと
カゴの奥に突っ込んだ。
「趣味、悪いぞ」
ジュンニイは
それを棚に戻して
「私のじゃないもん」
「なおさらだ。
もっと無難で
恥ずかしくないのを
選びましょう」
グレイをチョイスして
カゴの中に無造作に入れる。
こ、こういうのが
好みなのか…。
だったら私が
今つけてる下着なんか見たら
思いっきり子ども扱い
されそうだ。
「布団は後で実家から
運んでくるとして」
問題はどうやって
彼女を引き止めるか。
家に帰りたがるかも、と
ジュンニイは言う。
年末年始は
電車もずっと走ってる。
「昔話とかして貰って
引き延ばす!」
ジュンニイは私の提案に
不機嫌さを
さらに色濃くして
「新居1日めが
3人で年越しってか」
また溜息をついた。