その言い方って

信じたい、けど。

ってニュアンスに
聞こえるのは

私自身に後ろめたい過去が
あるせいなのか。

「マジで
誰か言い寄ってきたりしたら
絶対に俺に報告するコト!

ちゃんと
俺が話をつけるから」


「は、はい!」

ジュンニイの気迫に負けた。


「よろしい!」


機嫌を戻したジュンニイの
ケータイが鳴る。

「元日の夜中に誰だ?」

知らない番号だと
ジュンニイは
首をひねっている。


「女性からだったりして」

ちょっと冷やかしてみた。


「ケータイ番号
教えといて忘れるなんて
酷いオトコね〜」


「バ〜カ」

ジュンニイが笑いながら
ケータイに出た。


ジュンニイは
敬語で話してるけど

仕事の関係者?


凄く気になる。

私ってば案外
ヤキモチ焼きだったんだ。


「妹がバイト先で
怪我したんだって」

え?

「ジュンジュンが!?」

びっくりした。


バイト先で怪我って…。


「アイツ〜。

何で緊急連絡先に
俺のケータイ番号を
登録してるんだ」


緊急連絡してくるって
大変な事態なんじゃ…。

「心配させたくないって
わかるけど。

オヤジに先に知らせるのが
筋だろう」


…確かにそうだ。

ジュンニイは
お父さんのケータイに
電話をかける。


「こういう気配りは
かえって
オヤジを傷つけるって
わかんないのかなあ」

でも
ジュンジュンらしい
気の遣い方だと思った。