ジュンジュンに
ここまで話させて
自分だけ隠し通すのは
フェアじゃない。
上手く話せないのは
わかってた。
かえって
誤解されるかも
しれなかった。
でも。
それでも。
コトバを選ぶ
そんな余裕もなく
アタマにココロに
浮かんできたコトを
ありのまま話した。
「好奇心だったんだ。
快感とスリルに
おぼれてただけ」
愛していたからと言った方が
よかったのかもしれない。
その方が
ヒトとして
誠実に見えるって
わかってた。
でも
もう嘘はつきたくなかった。
「それでも
そんなヒメに
『彼』は救われてたんだよ」
ジュンジュンが
切なく笑う。
「見えなくなるとわかって
焦燥感で
いっぱいいっぱい
だったんだろうね。
ヒメには悪いけど
そんな『彼』を
責めるコトなんて
私にはできない」
『彼』には
愛されてはいないけど
「私は『彼』の
最大の理解者でありたいから」
「…うん」
ジュンジュンの決意に
ふたりで泣いた。
そして
ジュンジュンの
『彼』への
ひたむきな気持ちに対して
私は
「…お母さんのコト
協力するよ」
そう
ジュンジュンの気持ちに
応えるしかなかった。