次の日から
ふたりで毎日1時間程
インテリアショップの
むかいにある
喫茶室を張り込んだ。
受験生のユッキを
気づかって
ばらばらに学校を出て
現地で落ち合っていた。
国立大学の受験生は
学校を休むコトが
多くなってきていて。
そんな中
ユッキは几帳面にも毎日
登校し続けていた。
「皆勤賞
狙ってるんだと思う。
就職するときに
アピールポイントに
なるらしいし」
そんな将来まで
見越してるなんて
実にユッキらしい。
「受験があるからって
卒業式に出なかった
先輩もたくさんいたらしいね」
「ウチの学校って
イマイチ行事も
盛り上がらなかったからなあ。
卒業式も
ツマンナイのかもね〜」
学校行事での
印象的な想い出なんて
ほとんどない。
「文化祭も
文化発表会みたいだったし」
「ウチのクラス
何やったんだっけ?」
「有志による展示発表」
「超ウケる〜」
「ジュンジュンのチア部が
一番盛り上がってたよね」
「ウチのオヤジさんが
一番盛り上がってたけどね」
ジュンジュンが
思い出し笑いを始めた。
体育館の
最前列のど真ん中を
早々に陣取って
右に左に
ジュンジュンを追いかけて
その勇姿をビデオとカメラに
収めていた。
坊主頭にサングラス。
ガタイのいい
でっかいお父さんで
アーミー系の
ファッションが
怖さを誘うんだが
ジュンジュンにかける声が
とってもやさしくって。
そのギャップから
「確かに目立ってた…」
観客席からも
オヤジコールされてたし。
「愛すべきヒトなのだよ!」
ジュンジュンがはじける。