「そうですよ!
とにかく逢うだけでも!
私達が
フォローしますから」
え。
今、ジュンジュンは
「私達」って言ったよね。
ちょっと待って。
私も『彼』に逢えって
言ってるの?
私が『彼』に逢うなんて
ありえない…!!!
母親を説得するのと
『彼』に逢うのは
別問題だ。
なのに
ジュンジュンは
「『彼』は光が邪魔だと
目隠しして
創作しているので
誰が来てるのかなんて
わかりませんから」
なんて
私の躊躇いなど
気にも留めずに
どんどん強引に
話を進めている。
「どうしても
話しかけられそうになかったら
何もなかったふりをして
帰れば済むコトですから」
ジュンジュンの必死の説得に
「…ひと目
逢わせて貰えますか」
母親が行く気になった。
…よかった…!
あとは
ジュンジュンに
任せて…。
「じゃ、私はこれで」
私はお役御免とばかりに
さっさとその場を
逃げ出そうとして
母親に腕を掴まれる。
「一緒に行って
くださらないんですかッ?」
その目が潤んでくる。
「大丈夫ですよ。
彼女と一緒なら」
「でもッ!」
すがるような目で
私を見ないで欲しい…!!