バスルームを出ると
ジュンニイの洋服が
置いてあって
半袖に短パンなのに
私が着るとダブダブで。
濡れた服を
乾燥機に追加して
ドライヤーで髪を乾かす。
コーヒーの
いい香りがしてきた。
リビングに行くと
机の上が仕事の書類で
占領されていて
「悪い。
今夜は来れないと
言ってたから」
そう言い訳しながら
ジュンニイがコーヒーを
差し出してくれた。
…仕事に
集中したかったんだよね。
なのに私は
ジュンニイの都合も考えず。
どこまでも私は
おバカさんだった。
「何かあったの?」
ジュンニイの
話を切り出すタイミングは
とってもオトナで。
私の様子が変だって
しっかり気づかれていて。
「ん、別に…」
玄関で
どうしたのなんて
聞かれてたら
私はパニックして
飛び出していたかもしれない。
「ジュンニイに
逢いたくなっただけ」
本音だった。
「嬉しいコト
言ってくれるね〜」
私のダボダボの
Tシャツの裾を
引っ張ってくる。
「今日、泊まってもいい?」
「え…、お、あッ!!!!」
私の思わぬ
大胆なセリフに
動揺をして
ジュンニイが
コーヒーをこぼした。
「うおッ! 書類が!!!」
「冗談よ。ヤだなあ。
そんなに動揺するコト
ないじゃない」
フキンで書類を
拭くのを手伝った。
笑ってみせたけど
何か拒絶された感じが
哀しかった。
「…ジュンニイのコート
借りて帰るね」