「気合い入れて来いなんて
言っておいて」

ジュンニイは
居間のソファーで
眠っている。


「明日は約束の
デートの日なんだけど」

ジュンニイ
忘れてるんじゃないのかなあ。


もっとも
こんな調子じゃ

デートも取り止めだよね。


私は
傍にあったブランケットを
ジュンニイに掛けた。

私の大切なヒト。


「あんまり無理しないでね」


ジュンニイの頬に
キスをした。


「くすくすくす」

寝ているハズの
ジュンニイの肩が
震えている。


「あー!!!!
起きてたんだッ!!!!!」

思わず自分の行動に
赤面する。


「わっはっはっは」

ジュンニイが
私を抱きしめてくる。

「たぬき寝入り〜!!」


「寝込みを襲うなんて
何てヤツだ」


…寝込みを襲ってって。


ジュンニイのジョークに

『彼』との別れを
思い出して


固まってしまった。


ジュンニイは
そんな私の様子に
気づかずに

私の顔や首筋に
無数のキスを浴びせてくる。

私の前髪をかき上げて

おでこに
またひとつ、キス。


「このまま襲ってもいい?」

ジュンニイが
私の耳元で囁いた。


そんなコト聞かれても。

これってジョークなのか
マジなのか。


「今日、キャラクターパンツ
はいてるよ」


とりあえずボケてみる。


「…昨日、プレゼン終って
ひと眠りできたから

今すっごい元気なんだけど」


ジュンニイはやさしい目で
私を見つめながら

私のジョークを
軽く受け流した。