「やっぱり
シャワー浴びたい」
この気まずい間を
必死で誤魔化した。
「…いいけど」
どうぞと
無言のジェスチャーで
送り出しては
くれたけど。
ジュンニイは
勢いをそがれて
拗ねモードだ。
ヤバイ。
決死の行動を
拒絶されて
かなりヘコんでるみたいだ。
「…いっしょにお風呂入ろ」
「え?」
「ジュンニイと
いっしょに入りたい」
私はまた
ジュンニイの顔色を
窺ってしまっていた。
ジュンニイが
バスタブの淵に腰かけて
お湯を張る。
「おいで」
私を自分の両膝の中に
立たせて
制服のセーターを
脱がせた。
セーターを無造作に
脱衣場に投げ捨てて
ジュンニイの視線は
私にむけられたままで
「……」
何もかも
見透かされそうで
ちょっと怖かった。
ブラウスのボタンに
手がかかる。
私の片腕を
しっかり掴んだまま
片方の手で
器用にボタンを
外していく。
こういうトコロは
『彼』とは
全く違っていた。
「…逃げたりしないよ」
『彼』は
私が逃げ出さないと
信じていたのだろうか。
それとも
私が自分の意志で
逃げられるようにとでも
考えていたのだろうか。
「ヒメは
度胸がすわっているな」
いつになく
マジなジュンニイだった。
ちょっとイヤミにも
聞こえてしまうのは
きっと私に
後ろめたい思いが
あるからだ。