「テレビの話くらいで〜」

ジュンニイが呆れてる。


でも。

その直後、テレビに
映し出されたモノを見て


ジュンニイの
その表情は一変した。


「ニュース番組見終わって
テレビ消そうと思ったら

この番組が始まって


同級生が特集されてたから
何気に見始めたら

ヒメが出てるじゃない!」


自分の耳と

そして目を疑った。

『彼』の
最新の作品として

テレビの画面いっぱいに
私の彫刻が
映し出されていて


「これ、ヒメだよね?
どういうこと!?」


何が起こったのか
わからなかった。


「後でかけ直すから」

そう答えるのが
精一杯だった。


ジュンニイが
テレビのボリュームを
あげる。


その表情は冷やかだった。


『彼』は彼女の作品しか
創らない。


彼女への切ない想いが

『彼』の作品を
崇高なモノへと
昇華させている。


そんなコメントに合わせて

私と『彼』の
再会のシーンが流された。


どうして…。

アタマの中が
真っ白になる。


「…どういうこと?」

ジュンニイの視線が痛い。


「モデルしてたんだ」
「……」

「ヌードの」
「……」


何て答えればよかったのか。

本当のコトを正直に
告白すべきなのだろうか。


「ずいぶん官能的な作品だ」