「ベッドの中で
おイタせずに
さっさと寝るんだぞ〜」

ジュンニイが
声をかけてくる。


おイタって何だ
おイタって。

ど〜ゆ〜意味だ。


どうせ下ネタだろうと思ったら
赤面してきた。


「子守唄
歌ってやろうか?」

「子どもじゃないもん」

あかんべしてやる。


ベッドは
キングサイズの特注品。


彼女といつも
くっついて
いたいって

店員さんに
言っていたのにね。


シーツを換えるときに
肌触りがいいなとは
思っていたけれど

実際使ってみると
よくわかる。


ヒンヤリして
肌にしっくりくる。


動く度に静かに
しゃりしゃりと
心地よい音がして


あの高級ホテルのシーツに
どこか似ていた。


『彼』とおぼれていた
シーツの海。


ジュンニイのベッドで
思い出すなんて
どうかしている。


マクラに顔を埋めると

期待に反して
柔軟剤のにおいがした。

昨日私がメイキングしたまま
シワひとつないシーツが

ジュンニイが昨夜
ベッドで寝ていないコトを
物語っていた。


徹夜続きに、絶食に。

私がしっかり
フォローしなきゃ、な。


引き出しから
ジュンニイのコロンを
出してきて

マクラにちょっと
香りをつけて


ジュンニイの香りに抱かれて

眠った。