とりあえず
パンの残りで
フレンチトーストを作る。


「いつの間に
こんなの作れるように
なってたのよ〜」

「ま、必要に迫られて」


「早くウチに嫁においでよ〜。
毎日、ゴハン作って〜」


「おまえなんかと
同居させるか」

ジュンニイが反論した。


「私もここに住もうかな〜」

「それだけはヤメテクレ…」


ジュンジュンは
ジュンニイ相手に

朝から恐いくらいに
ハイテンションだった。


私が着替えを始めても
ジュンジュンは
その様子を
ニヤニヤしながら
見ていたりして。


「何?」

「いや。
キレイだなって思って」


思わずジュンジュンに
背中をむけた。


あの作品と
比べられてるんだろうか。

気持ちがどんどん
ブルーになった。


「ホクロひとつ
ないんだ…」


ジュンジュンが
後ろから
私の腰に触れてくる。


「ジュ、ジュンジュン?」

ジュンジュンは
ニッコリ笑って

私が穿いていたスカートの
腰の部分を端折りだした。


「サイズは変わんないけど
ヒメはスカート短めのが
らしい、かな」


…アセった。

「いってきま〜す!」

ちょっと早めに
ジュンジュンとふたりで
マンションを出る。


雨はすっかり
あがっていた。


「ヒメ!」

ベランダから
ジュンニイの声がする。


「おまえ、機種変更の金とか
持ってんのか〜?」


そうだった。

ケータイのコト
すっかり忘れてた。


ジュンジュンを
その場に待たせて
部屋に戻る。


「ごめん!
ジュンニイ、お金貸して…」

「その前に
何か忘れてない?」


ジュンニイが
唇を重ねてきた。