「アニキなんか
もうヒメしか
目に入ってないから」


それほど好きだから

「ショックが大きくて

現実と
むかい合えないだけで…!」


そうかもしれなかった。


でも私は

「そんなジュンニイを
傷つけてしまった」


その罪はおおきい。


「傷ついてるのは、ヒメ
アンタの方でしょうが!!」


ジュンジュンのコトバに
アタマを殴られる。

「ヒトの気持ちに
誰よりも敏いヒメのコトが
私は一番心配なんだよおッ」


ジュンジュン…。


「心配させてよ。
何でもする」


ジュンジュンの気持ちは
ありがたかったけれど


「…もう、私に対して
負い目とか
感じなくてもいいから」


今の私は
憎まれ口しか叩けなかった。


「だって!!

ヒメもそうやって
私を助けて
くれたじゃない…!」

私を抱きしめてきた
その腕は

とっても力強くて


「いっしょに
乗り越えさせてよ」


その頬の
冷たさにハッとする。


「頑張ろうよ、ヒメ」


ずっとこの寒い朝

外で私が出てくるのを
待っていてくれてたの…?


「ね?」


こんな私の為に?


この親友は


「ばっかじゃないの…!」


私はその親友の
背中を掴んで

いっぱい、いっぱい


泣いた。