「……」

ここで沈黙しては
いけなかったのに。


ふたりして

ユッキの勢いに
飲まれてしまっていた。


「もしかしたら
ジュンジュンは
まだ何も知らないんじゃ
ないかって」

昨夜は誰にも
相談できなくて。


「肝心のヒメは
連絡がつかないし。

どれだけ
心配したと思ってるのよッ!」


ユッキがイッキに
捲し立てる。


「なのに。

アンタら
ふたりして
何コソコソやってんのよ!」


「…ユッキは受験があるから」

「私のせいにするんだッ!?」


バッサリ、だった。


自分だけ
蚊帳の外だったのかと

私達を責める
ユッキの意見は

もっともだった。


受験なんて理由

毎日学校に通ってくる
余裕をみせるユッキには
無用な配慮だった。


私自身
どこか隠し続けたいという
気持ちがあったのは
本当だ。


やっぱり私は
ユッキの理想の親友で
ありたかったから。


上手くやり過ごして

『彼』とのコトが
風化される日が来るコトを
願っていたのも

本当だった。

だから
ジュンジュンの提案が
ありがたかった。