言い訳なんて
できる立場ではない。
でも
ユッキは大切な親友だ。
「ユッキ、私達は…」
「私、たちッ!?」
ユッキはジュンジュンの
不用意なコトバに
強く反応する。
「親友なんていって
私のコト、ふたりで
笑ってたんじゃないの?」
「ヒメも私も
言い出すタイミングが
なかっただけで」
「私なんて誤魔化すのは
チョロイとか思ったワケだ?」
もういつもの冷静沈着な
ユッキではなかった。
「ウブなふりして
私のいっぱしのアドバイスを
腹の中では
笑ってたんじゃないの?」
「そんな風に
思ったコトなんて
一度もないよ!!」
精一杯の否定だった。
「あー!
もう、バカみたい。
ひとりで参謀気取って。
まるで私って裸の王様ね!」
ユッキが皮靴に
履き替えて
そのまま
校門にむかって歩いて行く。
「ユッキ! 授業は!?」
「うるさい!」
腕を掴むジュンジュンを
撥ねつけて
ユッキは校門を
出て行ってしまった。
皆勤賞狙ってたのに。
頑張ってたのに。
いつだって
先のコトを考えて
行動してきたユッキが。
こんなのって…。
「しかたないよ、行こ」
ジュンジュンが
教室に
むかおうとする。
「しかたないって
放っておくの?」
「放っておきたく
なんかないよッ!!」
どう言い訳すればいいか
アイデアが湧かないのだと
ジュンジュンは苛立って
「冷静になってくれれば…」
わかって貰えると
つけ足した。
「ちょっといいかしら」
そんな
私とジュンジュンの会話に
割り込んできたのは
クラス担任と
生活指導の先生だった。