昨夜の『彼』からの電話。
どこか非日常していて
夢のような気もする。
ケータイの電源を入れて
着信記録を確認して
ああ、夢じゃ
なかったんだって
また胸が高鳴った。
「学校に遅刻するわよ!」
ママにお尻を叩かれて
しぶしぶ
学校に行く準備をする。
もう何にもしたくない。
考えたくなかった。
…エスケープして
しまおうか。
でも
こういう日に限って
空模様が
怪しかったりする。
「傘、持って出なさいよ〜」
ママの助言がうっとおしい。
あの日を思い出させる
私の傘。
持って出るのを
躊躇させた。
降ってきたら
どこかで買えばいいよね。
「いってきま〜す」
いつもと変わらなさを装って
家を出る。
「おはよ」
ジュンジュンが
家の前で待っていた。
「いっしょに学校、行こ」
「学校、パス」
「じゃつきあうよ」
「……」
そうは言っても
どこへ行くアテもなかった。
私にはコレといって
趣味もないし
遊びに行きたい場所なんて
思いつかない。
「ね、どこにいくの?」
「……」
とりあえず
駅にむかって歩き出した。