「あ、まさかマユコさん…」
ジュンニイが動揺している。
「やっちゃいました〜!!」
「ぐわ〜〜〜〜」
ジュンニイが
アタマを抱えた。
「ペイがいつもやられてる
アレ…ですよね」
「今回はオシャレに
フランス語バージョンよ!」
「…勘弁してください」
ペイっていうのは
ジュンニイの親友で
マユコさんの夫らしい。
ジュンニイは私に
ダウンジャケットを預けると
「は〜〜〜〜」
おおきく溜息をついて
肩を落として
トイレに消えていった。
「あのフランス語
どういう意味なんですか?」
笑い転げている
マユコさんに
真面目に質問する。
「あ、アレね」
マユコさんも
真面目な顔になった。
私の耳元に顔をよせて
「コレ、私の!って意味」
え。
目の前が一瞬
真っ白になる。
「うっそー!!!!!!!」
うわ〜ん。
知ってたら
そんなの絶対
書かなかったよ。
この期に及んで
嫉妬深いオンナだと
思われたくはない。
なかったのに!!!!!
「ありがたくって
ジュンのヤツ
毎日穿き続けちゃうかもよ〜」
「…それはナイかと」
ホントは
何てマネさせたんだって
怒鳴ってやりたかった。
でも
ここはオトナに
ならなくちゃ。
必死で
自分に言い聞かせた。
「わかってないな〜」
マユコさんは
おおきく息を吐く。
「ジュンはね。
もうヒメちゃんに
メロメロなんだから」
メロメロ?
何だか古い表現だった。
ジュンニイより
ひとつ年上のヒト。