「寝てるからって
悪いコト
するんじゃないわよ〜」
マユコさんが
ジュンニイを
からかってるようだった。
「高校時代なんて
ホンット酷かったもんね。
場所も時間も状況も
相手も関係なく
ってカンジでさ。
不純異性交遊の極み!
も〜乱れまくってたわよね」
ジュンニイが私の耳を
必死で押さえつけている。
「…昔の話でしょうが」
「え〜〜〜。
オトコなんて
みんな鬼畜〜って」
鬼畜…。
「ホント
ジュンのやってるコト
見てるだけで
私、トラウマに
なりそうだったわよ」
哀しいかな
ダウンの通気性は
音もよく通す。
ジュンジュンから
聞いてはいたけれど
やっぱり身内の証言は
まだまだ甘いのだと
痛感した。
「ジュンが何やってるのか
ジュナちゃんが
わかるようになってきて」
オトコとオンナに
ついての質問を
ジュンニイにしては
困らせていた時期が
あったと言う。
たぶん、それは
『彼』の母親について
だったのだろう。
結婚と離婚を
繰り返してきては
いたけれど
ジュンニイ達のお母さんは
しっかりした
キャリアウーマンだった。
留守がちの母親。
監視のない毎日。
あどけない
自分を頼りにしてくる
幼い妹。
「妹に幻滅されるのが嫌で
オンナ遊びをやめるように
なったんだよね」
ジュンニイは
ジュンジュンのコトを
凄く大切に思っている。
「妹の前では
いいカッコしたいのよね〜」