それは
アニキというよりも
父親に近い
愛情なのかもしれない。


「その鬼畜が
今はひとりの女子高生に
振り回されてるんスね〜」


新入りくんの
はじけた声がする。


「誰が鬼畜だ!」


ドガッ!

ジュンニイが
運転席に蹴りを入れて

私は飛び起きた。

「勘弁して
くださいっスよ〜!

新車なんっスから〜」


ジュンニイと
目が合ってしまった…。



気まずい…。


ジュンニイの顔が
真っ赤だった。

私を見つめる瞳に
動揺が見て取れる。


「あ、起きたんだ?」
「…うん」

間の抜けた会話だった。


「あの…うわッ!?」

突然の急ブレーキに

ジュンニイの胸元に
私はそのまま突っ込んで
倒れ込む。

「…何て運転するんだ!!」
「す、すいません〜」

両手を上にあげたまま
ジュンニイは
怒鳴ってみせた。

ジュンニイの
心臓の音が高鳴っている。


「あらあら。
せっかくのチャンス。

素直に抱きしめたら
よかったのに」


マユコさんが楽しそうに
ツッコミをいれてきた。


「…うるさいぞ!」

「あ〜ら!
この私にエラそうに!」

マユコさんが
大ウケしている。


「本気で自分から
初めて好きになったコ
なんだもんだから

どう大事にすればいいか
わかんないんだよね〜」


「う…」

「マジっスか〜!?」

新入りくんの
素っ頓狂な驚きが
車内に響いた。