「いや〜。
社長もかわいいトコ
あるんスね〜。
合コンでは
段取り上手なのに〜」
「…おい」
「社長ってね。
合コンやっても
盛り上げるだけ盛り上げといて
いつも途中でさっさと
ひとりで消えちゃうんスよね」
新入りくんは
どんな恐い彼女なのかと
思っていたらしい。
それが
「こ〜んなカワイイ
女子高生だったなんて〜♪」
新入りくんとマユコさんが
陽気にハモる。
「ッるせ!」
ジュンニイは
不機嫌そうに足を組んで
窓の外を見ながら
頬杖をつく。
「……」
私は居場所を
なくしてしまった。
不安げな私の顔が
窓ガラスに映る。
ジュンニイは
組んでいた足を戻して
外の景色を眺めたまま
自分のヒザを叩いて
ちいさく
手まねきしてみせた。
私はまた
ジュンニイのヒザを借りる。
ジュンニイは
私の髪をひと撫でして
その手で
私の目元を覆った。
「…凄く恐い彼女だよ」
ジュンニイがそっと
つぶやいたのを
私は聞き逃さなかった。
空港に着いたのは
チェックインぎりぎりの
時間だった。
ジュンニイは
搭乗前にあちこちに
電話をかけている。
くっついてきたモノの
結局ほとんど
会話も出来ないまま
時間になった。