自分が
しでかしてきたコトを
全部棚上げしておいて

これじゃジュンニイが
私に与えてくれてきたモノを

全否定だ。


「わかったから…!!」


ジュンニイが
私からクッションを
取り上げて

泣き叫ぶ私を
後ろから抱え込んで

ソファーに沈みこんだ。


ジュンニイのカラダの上で

天井にむかって
いつまでも

子どものように
嗚咽をあげている
自分がいる。

十字に取り押さえた
私の手を

ジュンニイは
黙って握ったまま

私の泣きやむのを
待っていた。


ジュンニイの表情を見るのが

恐い。


ジュンニイは
私を抱きしめたまま
静かに身を起こして

私の左手に触れてきた。


そして私の薬指に
はめていた指輪を

いじり出して


ハズされる!!


直感的にそう思った。


私はコブシをつくって
本能的にそれを阻止する。

ジュンニイは
震える私のコブシを

その手で包んで


「次は石つきの
指輪を贈るよ」

指輪にキスをした。


「え」

それは涙がピタリと
止まるくらい

意外なセリフで


一瞬
何を言われたのか

理解できなかった。