「とにかく!!」

ユッキがその場を
誤魔化すように
咳払いをひとつ。


「アンタ達には
私がついてなきゃ
ダメなんだと

よ〜っくわかりました」



え?

ジュンジュンと
思わず顔を見合わせた。


「オコチャマ達には
保護者が必要でしょ」


「ユッキィ〜!」

ユッキの後姿に
ふたりで抱きついた。


「あ〜ッ!

砂だらけのカラダで
やめてよね!」


「ユッキが照れてるよ〜」

ジュンジュンがツッコんだ。


「ふ〜ん。

じゃ、私も誰かさんの秘密
バラしちゃおうかな」


「えッ!?」

ユッキの思わぬ反撃に

ジュンジュンが
慌てふためく。


「ジュンジュンってばさ。

毎日、毎日
私の塾が終わるのを
待ち伏せしててさ。

話を聞いてくれるまで
ずっとついて回るからって」


え…。


「そろそろ勘弁して
欲しいな〜って
思ってたトコだったんで。

ちょっと肩の荷、おりた」


ジュンジュンが
私の為に?


私はジュンジュンに
視線を投げた。

「…ヒトのコト
ストーカーみたいに!」

ジュンジュンが
照れくささを隠すように
ユッキに絡む。


メールでも電話でも
いつも忙しい、忙しいって。

こういうコトだったんだ。


私はジュンジュンの
コートの袖を掴む。


「ありがとう」が
声にはならなかったけど。


ジュンジュンは
私の肩をポンポンと叩いて

応えてくれた。