「ホント、マヌケなヤツ」

「でも、いいヒトだよ」

初対面のオンナノコ。

しかも
自分の忠告を無視して
飛び出していった
おバカさんの為に

自分のカラダを張って


「勝算がないのが
わかっていても

助けずには
いられないなんて」


凄いコトだ。


「飛び込む前に
考えるってコトをする習慣が
ないんだろうね。

誰かさんといっしょだ」


気がつくと
矛先が再び私の方に
向けられていて。


「もし私が
ヒメからのメール
見るの遅かったら

どうなってたと思うのよ。


メールだって
読まずに
削除ってるかも、とか

思わなかったの?」


「だって…」

「駆けつけたくせに♪」

ジュンジュンが
ユッキをからかうように
肩をぶつける。


「それは…あの。
結果論というモノで…!」

ユッキがたじろぐトコロを
初めて見た。


「何だかお腹すいたよね」

ジュンジュンが
おおきく伸びをして


「ヒメのおごりだな」

ユッキが
私のアタマを叩く。


「話、聞いたげるよ」