ユッキとふたりで
ジュンジュンの
お皿からポテトフライを
略奪する。


「明日から
また私も学校行くワ」


ユッキのセリフに

ジュンジュンと
思わず顔を見合わせて
しまった。


「実は…」

学校での嫌がらせの一件を
ジュンジュンが
ユッキに説明する。


ユッキは
しばらく黙って考え込んだ後

手帳を出して


「明日、学校は
前期募集の選考会議で
1・2時限で終わり、か」

スケジュールを
確認した。

「明日、3人で登校しよ」

ユッキが不敵に笑った。


でも
卒業式まであと1か月
切ってるんだから

「何もまた新たに
火をつけ直すようなマネ
しなくても…」

ユッキの提案に
ジュンジュンも戸惑っている。


「勝算もなく
この私が勢いだけで
何かを始めると思って?」


「勝算って…」

その迫力に押されて
私もジュンジュンも
不安を口にできずにいた。


事態が事態だけに
簡単に収拾がつくなんて
考えられない。

だって相手は
不特定多数で

誰がどんな悪意をもって
どんなコトをしてくるのか
予想もつかない。


今日みたいなコトだって
もうナイとは
言い切れない…。

すりむいた掌が

今夜の出来事が
夢ではないコトを
教えてくれる。


現実の悲惨さに
むかい合う自信なんて

今の私にはなかった。