駅のホーム。

他の車輛から出てきた
クラスメイトの
オンナノコと目が合って

こっちが
リアクションをする前に

彼女は逃げるように
学校にむかって
ダッシュした。


「報告にでも行ったのかね〜」

ユッキが苦笑する。


勝算があると
ユッキは言っていたけれど

本当に
大丈夫なのだろうか。


冷たい朝の風に

私はマフラーで
自分の顔を覆った。


靴箱を恐る恐る
開けようとして

「ビビるコトないって!」

ユッキに
背中を叩かれる。


「心臓が止まるかと
思ったよ〜」

「あ、悪い、悪い」

ガハハと笑う
ユッキの態度は

どこか
他人事のように見えた。


事態の深刻さが
全く伝わっていない気がして

ふたりの後を歩く
私の足もすくみがちになる。


「おっはよ〜」

ユッキが教室のドアを
勢いよく開けて


ドコン!

ユッキのアタマの上に
黒板消しが落ちてきた…!