「…ユッキ!」
私とジュンジュンが
ハンカチを差し出す。
男子達が一斉に
私の机の中から
たくさんのゴミを
コソコソと取り出して
隠している。
「…アンタって
賢いのを通り越して
実はクレージーだったんだ」
ジュンジュンが
ユッキに耳打ちする。
「ふふん」
いたずらっぽく
ユッキが笑った。
そして勢いよく振りむいて
「雑魚どもが〜!!
ちゃんと机の中も
キレイに拭かんかい!!」
再び男子を
恫喝してみせる。
ユッキ、つおい…。
でも
あんなタンカ切って
「ホントに大丈夫なのかな」
すごく心配だ。
私の代わりに
今度はユッキが
イジメの対象にでも
なったら…。
「大丈夫でしょ」
ジュンジュンが立ち上がって
「ユッキの頭脳にかかれば
匿名でウワサを流したって
IPアドレスから
あっという間に
個人を特定されて
コンピューターに
ハッキングかけられて
個人情報持っていかれて
人生
滅茶苦茶にされるのが
オチだから!」
ジュンジュンが
聞えよがしに
大声で答えた。
「ま、ね〜。
受験終わったらヒマになるし」
ユッキが思わせぶりに
微笑んでみせた。
「……」
このクレイジーな
才女ならさもありなん。
教室中がまた固まった。