「あ〜ゆ〜コトするコって

出没する場所も時間も
やっぱり刺激的だよね」


制服達がゆっくり
距離を縮めてくる。


ケータイを見捨てて

出口にむかって
走り出そうとして

「ちょっと待てよー」

コートのフードを
掴まれて

転ばされる!


「痛ッ…!」


砂の中に突っ込んで
手から血がにじんできた。


でもそんなコトに
かまってる場合じゃ
ないのはわかっていた。


必死で立ち上がろうとする
私のコートの裾を

もうひとりが踏みつけて


拘束する。


「へへへ、つ〜かまえた」

コートのフードを
また掴まれて

今度は無理やり
引っ張り上げられた。


私は
コートを踏んずけていた
その足に噛みついて


立ち上がりながら
ヤツらの顔めがけて

砂を投げつける!


「ぐわ!」


よし!

参道を100mも
ダッシュすれば
ヒト通りのある道に出られる!


「こッのお…!」

足音が追いかけてくる。


私は目をつぶって
神様に祈った。


神様!

夜中に起こしちゃって
ごめんなさい!


レポート用紙なんかで書いた
お願いなんてくくりつけて
ごめんなさい!


ごめんなさい!
ごめんなさい!


ごめんなさい…!!!!!


足がもつれかかった
その瞬間


ガシッ。

横から伸びてきた
オトコの手に捕まった。


もう

ダメだ…。


神様にも見捨てられて


何で私

いつも
こうなんだ。


きれいな冬の空

気が遠くなっていくのが
わかった。