「だから
言ったじゃないっスか!!」
「!?」
腕を掴むオトコに
怒鳴られて
ハッとする。
新入りくん…!!
「ウソ…何で!?」
「帰れって言われたけど
気になって
隠れて様子を見てたら
コイツらがオタクの後を
つけるように
門を入ってくじゃ
ないっスか…!」
新入りくんが
神様に見える…。
「誰だあ?
このちっこいオッサン」
にじり寄ってきた
ふたり組はアタマひとつ分
新入りくんより
おおきかった。
「最近の高校生は
無駄に栄養が
いき届いてるよなあ」
「は、あ?」
…挑発してる。
ケンカとか強いのかな。
「なりばっか
おおきくなって
親からどういう教育
受けてんの?」
わざわざ助けに
来てくれたくらいだから
多少は腕に覚えが…。
ドガッ!
…ないようだった。
制服のひとりに
頬に正拳をくらって
簡単に倒れ込んでしまう。
「かっこわりい、俺〜」
こんな場面で
自分の惨めさに
酔っているなんて
相当の心臓だった。