「逃げよう!」

新入りくんのコートを引っ張る
私の背後から

制服のひとりが
抱きついてきた。


「へへへ」

ひッ…!!

その手がコートの中に
入ってくる。


「そのコに触るなッ!!」


叫ぶ新入りくんに

もうひとりが
容赦なく
蹴りを入れまくる。


「たわいないね〜。
さっきの勢いはどうしたの?」

うずくまる新入りくんを
足で転がして

私の口を塞いで
植え込みの方に
引きずっていこうとする。



「噛みついたり大声出したら

このオトコ
こんなもんじゃ済まないよ」


オトコ達のセリフに
アタマが真っ白になった。


「おい。

そのちっこいオッサンも
こっち連れてこいや。

見学者がいる方が
燃えるってもんだよな〜」


「くっくっく」

な…ツ。


「ちっこいオッサンにも

コイツの淫乱さをよ〜っく
見せてやんなきゃな!」


いったい何が
起ころうとしているのか。



恐怖にカラダが
固まってしまっている。


もう何にも
考えられなかった。


引きずられるカカトが熱い。

抗いたいのに
力が入らない。


ジュンニイ!!!!!


言うコトを聞いて
ちゃんとまっすぐウチに
帰ればよかった!

悔しすぎて涙も出ない。


「うへへ。

見て。コイツの太股
真っ白」


カラダ中に寒気が走った。