そこには
頼もしく仁王立ちする
ユッキの姿。


「うお!?」

その迫力に新入りくんが
尻もちをついた。


「ヒメ、大丈夫!?」

私を抱きとめている
そのヒトは

「ジュンジュン!!」


「安心して。
もう大丈夫だから」


どうして
ジュンジュンまで…。


私は
夢を見ているんだろうか。


「アンタ達
いい度胸してるじゃない」


ユッキが制服達に
近づいていく。

「アンタの胸ポケットから
覗いてるの

ヒメのケータイよね?

返しなさいよ!」


その迫力に
これが現実の出来事なのだと
実感した。


「さあ!!」

ユッキが制服達に
にじり寄る。


「な、何だよ。ちょっと
からかってみただけじゃん」


私のケータイを放り投げて

制服達はあたふたと
逃げ帰っていった。


「最後まで礼儀を知らない
野郎どもね」

そう言って
ユッキは私のケータイを
拾い上げる。


ユッキ、つおい…。

ジュンジュンが
私のコートについていた
砂を払う。


ユッキが溜息をひとつ
ついて


「あんたってコはッ!!

何でこんな暗い
神社の境内になんか
いるのよ!!」


大声で怒鳴った。


ごめんなさいと
謝る私の声を


「うげあぁあ!!!!!!」

その悶絶声が
かき消した。